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042
君を連れて
どこまでいこうか
傘はひとつ
水溜り飛び越え
魔法のキャンディ
がたん、ごとん
泣き虫かみさま
たとえばの話
湿ったてのひら
明日が晴れたら
この足で
どこまでいける?
終着点は、きっと
お次は→ 5月の星座
044
梅雨時クレイジー
リップリッパー、恋に溺れて
腐ってるのは頭の中
「木星のお告げは絶対」
落とした半球
攻防23時
窪んだ眼球
ノイズマーダー、愛を落とした
ビーカー一杯
傘の影に隠した笑顔
さよならは線路上で
擦過傷からカビてく身体
親指ならあの部屋に
換気扇さえ不平を洩らす
レインキラー、優しさだけなら君を殺せた
お次は→ 美味しくある必要なんてない
046
裸体
ある意味我が家のドレスコード
俺の家では俺が法律
裸族であってヘンタイじゃない!
偉いヒトがいってました
靴下だけ残せば紳士
アイアムマイノリティ
電話の向こうに広がる異次元
出前だけはやめてください!
涙の味はほんのり塩味
そして生まれる都市伝説
お次は→ 歌う箱
048
果て無きこと、知っている
たとえば、あのドアの向こうだとか
たとえば、解けた糸の行き先だとか
たとえば、ドロップ缶の中身だとか
たとえば、淹れたての最後の一滴だとか
たとえば、六花に埋もれた言葉だとか
たとえば、チェス盤のマス目だとか
たとえば、この夏最後のひまわりだとか
たとえば、君へのこの恋慕だとか
さあ、どれだけのことを俺は君に伝えられただろう
お次は→ −1
050
僕の生真面目な恋人
カチ、カチ、カチ
「お行儀がよろしいことで」
二極の世界
シガレットよりもペン先を
その全ては結果論
統合データは何を見る
「まるでロボット」
歩幅窺う今日のご機嫌
型通りのご挨拶
ビックブラザー愛を教えて
「だって彼女は頭がおかしい」
お人形と缶コーヒー
とけないものはなにひとつとして
「素顔がみたいな。キスしても?」
硝子の靴は僕のもの
お次は→ おかえり、カルトヒーロー
052
幸いでない世界に住む君へ
パンケーキがあるのに、ジャムもバターもないなんて!
白いお城の王子様
世界は二音で出来ている
瞳は自分じゃ覗けない
バラの色は何色
「辛いってなに」
砂糖菓子なら捨てるほど
銃撃も悲鳴も届かない
寒さを知らない夜明けなら
蝋燭の火が届く範囲
「寂しいってなに」
なんてまぁ、味気ない世界なんだろう!
お次は→ プリン王子の三つの誓い
054
うしろの正面だぁれ
どちらにしようかな
幼い独尊
細い小道に影が差す
(帰してあげない)
ゆびきりげんまん
嘘吐きばかり
あの子が欲しい
増える手の枷
むしゃむしゃむしゃ
あと一人
鬼さんこちら
手の鳴るほうへ
かごめ、かごめ
お次は→ 夜会
056
ゆめゆめ
やぁバク君調子はどーよ?
俺? 聞いてよ最近ってさー
証拠をみせろと迫るクソガキ
ネバーランドは閉園しました
ライフル片手の眠り姫
甘いだけじゃダメかしら
淫夢の予約は2ヶ月待ち
まさにエンターテイナー!ご予算0円素敵なご旅行
原油高の影響で宝船が出港出来ません
はいはい初夢、はいはい富士山と鷹と茄子ですね
学者サン的には全部性欲に繋がんすか
てか、男て夢より金じゃん
だってさ、皆酷くない?
ねーバク君慰めてよ。俺は一体なにを信じりゃいいのさ
お次は→ 夏の調律師
058
チグリスとユーフラテス
やがて、起源に
我らは異なる
赤い大地に
すべてを飲み込め
栄えよ、滅びよ
最古の礎
三日月を抱いて
櫂を手にとれ
虎の意のまま
楽園を忌む
枯れた湿原
触れれば最期
お次は→ アンドロイドのしつけかた
060
殺される残夏
残暑見舞いは滅殺宣言
セミの抜け殻踏みつぶし
西瓜を端から叩き割る
どろり、濃厚
金魚鉢に閉じ込めて
花火の音をかみ砕く
白紙の手紙はポストに届かず
スコールさえも蹴散らして
嗚呼勇ましきかな!
たこさんプールを完全閉鎖
バッド片手に夜を行く
ビーチサンダル脱ぎ捨てて
雪の女王を迎えにいくのさ
(今年の秋は一回おやすみ!)
お次は→ 自由題(じゆうだい)