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062
液状の恋


凍った私の心に落ちた

凍えた日曜
触れた月曜
揺れた火曜
零れた水曜
濡れた木曜
吐いた金曜
溶けた土曜


溶けるような、恋でした。




お次は→ 愛はでたらめ







064
紅茶とおはぎ


ああなんたるナンセンス!

「君ってホントに趣味が悪い」
ミルクティーを寸胴一杯
突撃、となりの晩御飯
侵入経路は屋根伝い
「甘味は人生の友だっていうのに」
マイセンの皿におはぎがふたつ
変わらないのはメガネだけ
お椀に注いだ紅茶は苦い
「深夜のお茶って泣きたくなるよね、」
ほんとに猫なら良かったのに
半分残してさようなら
鼻を啜った深夜2時

笑っちゃうよ、ほんとにね



お次は→ いいわけのスペシャリスト







066
冬の怨


ひたひたと
木枯らしに嗄れる
12月はこない
温もりに餓えて
指先から逃げ出す
ひたひたと、
震える眼差し
うやむやな嫉妬
余白の残響
春を恐れて
冬を抱いた

ひたひたと忍び寄る、

お次は→ 13月のディナー






068
ひめはじめ


※当サイトは旧正月までを正月と数えます。


ワンステップで押し倒し、
ツーステップでひん剥いた
スリーステップ泣き落とし
怒鳴られたってめげないで
いやよいやよもすきのうち!


さぁ、ダーリン愛で崩して!


お次は→ 歌姫と旅する一週間






070
秘文


恋の名前と姿を借りて

6月の花嫁は、
いつもきれいに笑うひと
片恋歴は約7年
割とよくある部類の話
ガラスの靴は履けないけれど
うらはらな唇
ゴシック体じゃ味気ない
いつか笑い話になるまで
最後の嘘は胸の内

ただの憧れを恋慕と騙る



お次は→ 年の数だけチョコレート







072
夢のような口付けでした


吸血鬼の口上

逢瀬ならば帳の中で
白い首筋、光る汗
牙を隠して目を細める
血よりもデリシャス
煩悶は人生の友
「言い訳だなんて、らしくない」
割れた月の夜
今宵も忍んでまいります
さあ、手を取って
蕩けるような囁きと共に
君の未来を踏み砕く
醒めない悪夢、ならそれこそが現実だというだけのこと!


諦めなさいな、お嬢さん。



お次は→ 狐の姦計






074
君はセクシー


胸元ちらり☆チラリズム
小娘なんかにゃ負けないわ
鎖と吐息で挟み撃ち
破れたパンスト絡む指
胸焼けするほどときめきを
押し付けがましい? ノン!ダーリン

愛とは時に一方通行



お次は→ 春の日は、






076
綴じる世界にさよならを


半頁残したままで
指の先から離れてしまう
不安に触れるということ
泣き笑いの晩
(きみのこと)
きっとママより愛してた
安堵に揺れるということ
その時は言おう。

はじめましての顔をして



お次は→ ラッキーナンバー・774






078
ウソツキBABY


ツライが嘘、キレイが本当

孔雀王子の特権
笑うふり、嘆くふり
フツウの牛乳
道化のままで
誘うふり、騙すふり
ゴミ箱の中の真実
二の腕の楽園
手招く嘘つき


そして、1000年片思い



お次は→ おにぎりひとつくださいな






080
抜け落ちる


(抜け落ちる)真意にあなた、気付いてますか

僕(の  )と君(の  )。同じようで違ったね
さあ、(    の)挨拶をしよう。
道を分かつのは、(    )
一年先の桜だって約束出来ない癖に。「(    )」
(   )僕は、(    )ばかり
(し     )フリは( )の為
(                )


(抜け落ちた)漂白された悪意さえ、飲み込んで


※(  )を省略しても、埋めても。(  )内は、無視しても、使っても。お好きな意味でお取り下さい。

お次は→ 花はくちなし





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