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022
ワールズエンド

カーテンコールは唐突に
まって、まだまだ遊び足りない!
冷めてしまったスープボウル
頭蓋は見ていた。
針が重なり、
さあ、全ては猿芝居
躊躇うのは理性だけ
ほら、赤い唇で囁いて

「おやすみ坊や、いい夢を」



お次は→ ヤツがくるぞ!






024
夜に紡ぐ10のお話

第一夜 夜に潜って
第二夜 ピンクチラシを約100枚
第三夜 Her name is Rose.
第四夜 千円ぽっきり、
第五夜 「君の人生を貸してくれないか」
第六夜 鼻血とバリカン
第七夜 チャットレディに愛を乞えば
第八夜 ショウの合間。非日常にキスを
第九夜 行列横目にカラーコーンを従えて
第十夜 無地の夜明け



お次は→ りんご1/4個分






026


ここに私の墓標を立てる

何度でも打ち据えて
この手で潰した、
温かさなど(必要ないのに)
遺されたのは
どこまでも深く、
二度目などいらない
午前4時の焦燥
爪よりも牙が欲しいのに
一息も洩らさぬうちに
誰か、誰か早く塗り潰して


さよなら、わたしの恋心



お次は→ 「諸君、今日はホワイトディというものらしい」






028
素足のような

硝子野を往く
踏み砕いて
漣遠く
形をなぞれば
ひやり、と
枷などいらない
砂を掻いて
飾らない
動脈にキスを
赤で汚した


無謀で、無防備



お次は→ 勝利宣言






030
浅瀬から呼ぶ

呟きならば、掻き消されてしまえ

幾重にも重なり
暮春の満月
テトラポットの影を踏みしめ
サンダル脱ぎ捨て
思いが沈む
「もう忘れて」
最後の燈台守
声を張り上げ、拙い歌を
星を殺して
朝を待つ
ここにはもう、いない君へ

叫ぶならば、噛み付くくらい近づいて





お次は→ その差、15








032
cureless

「当方名医治せぬ病などありません」
「そうね、言ってしまえば二分の天才」
「恋だって? なんて馬鹿らしい!」
「君は馬鹿なのか、凄く馬鹿なのか、どっちだ」
「硝酸イソソルビドは爆発なんてしないのさ」
「信じられない」
「信じなくていい」
「その口縫合してやろうか」
「だって僕は君の主治医じゃないだろ」
「手術するだけ無駄だって?」
「誰に向かっていっている」
「やれやれインターンはこれだから」
「マスメディアは情報操作出来るからこその、マスメディアじゃないか」
「医療従事者は押し潰される時代だよ」
「センセイ!」
「夜勤明けなのだよ、おちびさんは黙ってなさい」
「君は物事を平面的に捉えすぎている」
「全てはこの手の中にあるんだよ。触れてみるかい」
「なんたる悲劇って言って欲しいのかい?」
「僕は出来ない約束はしない。無駄だからね」
「さて、そろそろ僕の出番らしい」
「ほら、おちびさん。僕がいったとおりだろ」
「今度は君の番だよ。なにがって? 判らない筈ないだろう」



「前言は撤回してあげよう。治せない病もあるらしい」




お次は→ ゴースト・トレイン








034
下戸のあいつを落とす方法 〜自分酒豪ですが、篇〜


無敵鉄壁胃壁伝説
男所帯の紅一点
鉄の淑女と呼ばないで
心のオアシス○○さん
全課合同新人歓迎in居酒屋
マッコリvsウーロン茶
先取先制速攻アタック!
邪魔をしないで先輩方
いつもの流れの飲み比べ
爽やか笑顔遠目に連勝
流れは二次会、今がチャンス!
「ごめんね、この子が気分悪いらしくて」


赤ずきん的結末が見えてるのは気のせいかしら




お次は→ オンナのアタシとオトコのあたし







036
賢明な誓い


言葉じゃ足りない
この指が、
反故するための約束ならば
宵時の戯れ
欠ける望月
映る葉陰
鎖骨に埋める
目蓋を閉じたら
心音を残して
シーツに広がる
疎らな記憶
つまりは、


「二度目は期待しない」





お次は→ 凸凹











038
けふかぎりの

命ならば

狩人は唄う
追われるものの定め
逆さ旋毛
浅瀬の海岸
窖の二匹
咎ならばここに
硝煙に紛れ
銀色のナイフ
喉笛を噛み裂く
腑わけ作業
限定メニュー

(余白を刻む)


お次は→ 英国領より愛を込めて







040
青嵐


墨の波間に
張った背筋
17文字に捕らわれた
指の節から生まれる音
絡まるように
その口が紡ぐ
「滑稽だね」
溺れるひと

余韻、さめやらぬ


お次は→ 乳白色の





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